卵から育てた金魚さん達の今

去年の4月、金魚が卵を産んだ記事を書いた。

この金魚さん達の現在と、育成について書く。
思い出話みたいなものだが、もし同じように卵から育てる人の参考になればと思う。

金魚さんたちの今

なにはともあれ、現在の写真を貼っておこう。

結局、30匹にも満たない数になってしまった。
最近は落ち着いていて星になる子もいないが、突然大量死したり、病気になる子がいたりと、「育てる」ということはやはり難しいのだなあとつくづく思う。


水槽の内訳は、10cm程度の子が2匹、他は7cmくらいが主流で、小さい子が5cm前後だろうか。
縄張り争い等もなく、特に問題ないように思える。
お腹の形状が違う子がちらほらいるので、来年の春頃にはまた産卵するかもしれない。


水槽が汚い?
いやいや、この方が状態が安定するのだ。これはガチ。
以前は透明な水槽を維持しようときれいにしていたのだが、コケだらけの水槽のほうが生存率が高いことに気づき、過剰な干渉はやめることにした。
…まあ確かにちょっとコケ取ってもいいかな。掃除しよ。

育てるために使ったもの

育成に使用した部材は下記の通り。

・45cm水槽×2
・25×40 コンテナ×1
・ヒーター×2
・エアレーション用ポンプ×2
・外部ろ過装置×2
・水中ろ過×1

これ以外にも、100均やホームセンターで材料を買い、自作で上部ろ過装置を作ったりもした。
もちろんすべてを同時に使っていたわけではなく、成長に合わせて装備を増やしていったのだが、振り返ると結構投資してるなあ(笑)
もちろん今も使っているし、まったく無駄にはなっていないので良いのだけど。


ちなみに使ったのはこのあたり。
私的には結構おすすめできるのだが、水槽のサイズや何を飼育しているかによっても必要な装備は異なるし、参考程度に見てもらえればと思う。

ヒーター

金魚用より高めの温度のものを選んだ。
理由は後述する水カビ病対策と、冬季の室温低下懸念である。
何せ冬の朝の室温6℃とかやからね、この家…
この時期は45cm水槽で20度くらいをキープしている。

エアレーション用ポンプ

エアレーション用のポンプは水心一択。
振動音が気になる方はほんまに水心を選んでほしい。
Gで始まるメーカーのも2つばかり使ったが、振動・空気圧の強度、クオリティが全然違う。
G社からの乗り換えで初めて水心を使った時、あまりに静かで動いているのか触って確認したくらいだ*1

ろ過フィルター

スペース的に上部フィルターは扱いにくいので、この外掛けフィルターを愛用している。
今は45cm水槽が3つあるが、すべてこれだ。
値段も手ごろだし気に入っている。
しいて言うなら、長期間使っていると稼働音がうるさくなってくるところが難点か。
まあその時は買い替え時ということで、「お疲れさま」と言って送り出すのがいいのかもしれない。


水中フィルター(投げ込みフィルター)は大抵これだろう。
アクアリウム界隈では、これが安価で最強のフィルターとかいう話もあったりする。
最初はこれ1つで管理していたのだが、どうにも水中フィルターの物理ろ過力の低さが不安で*2、後で外掛けフィルターを追加した。
今は物理ろ過はほぼお役御免で、生物ろ過とエアレーションを担ってもらっている。


細々としたものまで上げると、スポイト、網、掃除用の手動ポンプ、エアレーション用チューブ、エアレーション用の石 (=エアストーン) などがある。
このあたりはダイソーで買えるので、ぜひ探してみてほしい。
スポイトは書道やお絵描き用の3つ入りもの、他は水槽コーナーに置いてあった気がする。

無事成長させるためにはどうすればいいのか?

いくつか失敗からの知見を書こうと思う。
これから金魚の卵を育てていく方の参考になれば幸いである。

稚魚をスポイトで吸い込まない

育成初期、スポイトでブラインシュリンプを与えたり、水槽の掃除をしたりすると思うのだが、この時稚魚を吸わないように細心の注意を払った方が良い。
一見無事なように見えても、成長するにつれて背骨が曲がったり、口の形状がおかしくなったりして長生きできなくなる場合がある。
もちろん不慮の事故もあるし、0%にはできないだろうが、それでもなるべく減らしてほしいと思う。

水流はなし、あっても激弱で

孵化後は小さな水槽での育成でいいが、稚魚が金魚らしい見た目になってきたら移動が必要になる。
その時、ろ過フィルターやエアレーションを付けることになると思うが、その際は水の流れの強さに注意してほしい。
流れの強い水槽では、金魚は想像以上に疲弊する。
まともに育たないどころか、星になってしまう子もいる。
そのことに気づいた私は、前述の外掛けフィルターを最弱にし、水中まで届く板を取り付けて、水がその板を這って落ちるようにした。
もしくは、落水ポイントに発泡スチロールか何かを浮かべておいても良いと思う。
とにかく、水流に巻き込まれないようにした方が無難だ。

病気になっていないかこまめに観察する

金魚に限った話ではないが、弱った魚が良くかかるのが「水カビ病」だ。
魚の体表に白いカビのようなものがつくので、一目でわかる。
水質悪化が原因と言われるが水替えしていても発生するので、結局は金魚の体調次第なのかなーという気がしている。
水カビ病のような明確な病気には当てはまらなくても、水槽の底でじっとしていたり、泳ぐときにふらついている場合もある。
それと特殊な個体(生まれつき色が違う、奇形など)は弱りやすいのでよく見てあげてほしい。
このような状態変化に早く気付けば、生存率をもっと上げていけるはずだ。


ちなみに弱った金魚には塩水浴が効く。
淡水に塩 (料理用の塩でOK) を入れ、0.5%の塩水を作り金魚を投入。
詳しくは「金魚 塩水浴」で検索をかけてほしい。

エアレーションをしっかりする

魚の呼吸だけではなく、バクテリアの活動にも空気は消費される。
エアレーションは過剰なくらいでちょうどいいのではないだろうか。
今は外部ろ過の水流+水中ろ過+エアレーションで対応している。
エアレーション用にエアーポンプを用意する必要はなく、コック付きの分岐パーツを使えばOKだ。
こういうやつ ↓↓

ただし、エアレーションによって起こる水流には注意してほしい。
あまりにエアーの出が多いと金魚が疲れてしまう可能性がある。
大きい泡を避けるため、チューブにはエアストーンの装着が必須だ。
エアストーンはダイソーに置いてあるが品切れの場合も多々ある。劣化時に備えて2個買っても良いかもしれない。

きちんと観察し対応をするのが大事

生き物を飼うのに大事なことは、結局のところ「よく観察する」ことに尽きるのだと思う。
観察していれば変化に気付き、対応することができる。
金魚のためにきっちり時間を取りケアしてあげるという当たり前のことが、実は金魚の生存率を上げるもっとも重要で効果的な方法なんだと思う。
「○○すれば生存率100%」などは、話半分に聞いておいた方が良いだろう。

これからも地道に観察を続け、金魚さんたちがなるべく長生きするように育てていこうと思う。

*1:G社のがうるさ…いやなんでもないです

*2:フィルターの周りにフンがたまってるの見えるんだもの…