金魚が卵を産んだので稚魚を育ててみる

もう数か月前の話だが、金魚を飼い始めた。
と言っても、自発的に購入したわけではなく、青物(ブリなど)用の釣り餌として購入されたものを譲り受けたものだ。
金魚は目立つので青物をいい感じに煽ってくれるような雰囲気があるが、実際は全然反応がなかった。
(もちろんその日の地合いの影響もあるので、ダメとも言い切れないが)


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一緒に写っている銀色の魚はギンペイ(ウグイ)。
同じく青物用の釣り餌である。
「最強の生餌」なんて異名もあるようだが、これも地合い次第。
この魚は渓流釣りでもよく釣れる。ただし色はもっと地味だ。


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釣り餌になるくらいだから訳あり個体かと思ったが、予想に反して金魚は順調に育った。
人間にもすぐに慣れたようで、姿を見たら餌の催促に寄って来る。

そして先月、水槽の中に小さな黒い粒が無数にあるのを発見した。
かなりの数が産み付けられていたにも関わらず、卵が成長して黒くなるまで、私は全く気付けなかった。
想定外のことが起こった時の人間の認知力は相当に低下するようだ。
卵も稚魚も、金魚とウグイの格好の餌となる。
保護のために慌てて隔離したその翌日、次々と孵化が始まった。
どうやら本当にギリギリのタイミングだったらしい。

金魚の稚魚↓


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写真の稚魚の体長は6~8mm。
生まれたてはもっと小さい。
おなかの養分袋(ヨークサック)がないと、ゴミと一瞬間違えてしまうくらいだ。

ヨークサックがなくなった後から、本格的に飼育開始である。
餌やりと掃除、水替えが水槽管理の主な仕事になるが、稚魚は雑に扱うとすぐに死んでしまうので難易度は高め。

実は、1回目の産卵分(冒頭で書いた話の分)は全滅させてしまった。
死因は「餓死」。
もちろん毎日有り余るくらいに餌をあげていたのだが、稚魚は全く食べていなかったようだ。

死因が餓死だとわかったのは、2回目の孵化後である。
稚魚が餌を食べると、無色透明の体が餌の色になる。
写真でもほんのりオレンジ色になっているのがわかるだろうか。
1回目の稚魚では、このような体色変化が全くなかった。

今日までに餌は3種類使用したが、食べたのはブラインシュリンプというプランクトンのみ。

人工飼料:×
ブラインシュリンプの黄身(乾燥):×
ブラインシュリンプ:〇


私が使っているのはこれ。

by カエレバ


20gで1000円ほど。
Amazonと近所のペットショップを比較しても、値段はほぼ変わらない。
少々値が張るから避けたくなるが、他の餌には見向きもしないのであきらめよう。
今のところ1週間で1g使用で十分間に合っている。
稚魚の成長に合わせて、徐々に人工飼料に切り替えていく予定である。


私が最初にブラインシュリンプを避けた理由は価格だけではない。
実は、ブラインシュリンプは給餌にとても手間がかかるのだ。
塩水の中に卵を投入、エアレーションで撹拌しながら24h待つ(時間は気温によっても変動する)。
孵化したブラインシュリンプをスポイトで吸い取り、稚魚に与える。

↓うちのブラインシュリンプ孵化セット


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金魚鉢、エアチューブ、エアストーン、スポイト、ライト、水入れ(タッパー)、スプーン、すべてダイソーで購入。
最近のダイソーは水槽関連の道具も置いてあってとてもありがたい。
この写真には載っていないが、逆流防止弁、エアチューブ、チューブ固定用吸盤などは結構使うので、見つけたら買い置きをしている。

スポイトはいいサイズ感のものが書道コーナーに置いてあった。
ブラインシュリンプの体長は1mm程度。
水槽用の大きなスポイトは不適である。


採取は下記の要領で行っている。

①孵化用の金魚鉢にライトを当てて稚魚を寄せ、スポイトで吸う
 この時、浮いている黒い粒=卵の殻 は極力吸わないようにする
 稚魚が食べると消化不良を起こす場合がある

②タッパー内にある程度の数を集めたら、稚魚の水槽からスプーンで水を入れる(塩分の希釈)

③スプーンもしくはスポイトで、水流を起こさないようにやさしく稚魚の近くに給餌する

これを稚魚の体色がオレンジ色になるまで繰り返す。
1日に4回給餌がいいそうだが、さすがにハードルが高い。私は朝晩の2回給餌にしている。


今は浅めのコンテナで飼育していて、数はおそらく200匹を軽く超える。
これから脱落もあるだろうが、順調に行けば45cm水槽がアート・アクアリウムのような状態になるかもしれない。
ぜひこのまま育って欲しいものである。