手帳を使えば自分の人生の主導権を取り返せるだろうか

お題「手帳」

そろそろ新しい手帳の時期だ。
ほぼ日やジブン手帳から100均まで。
昔のことを考えたら、本当に色々と種類が増えた。
今日も興味本位で本屋の手帳コーナーをウロウロしてきたところである。

1番マメに更新したのは高校生の頃だろう。
B6のバインダー型、2cm×10cmくらいの狭い枠に色恋沙汰やら親への鬱憤やらを詰め込んでいた。

大人になり、ほぼ日やジブン手帳など色々なものを試したが、結局はそれなりに続いてフェードアウトというパターンの繰り返しである。
今は固定のノートにブレインダンプやTodoなどをたまに書く程度だ。

売り場こそ見たものの、今年は手帳の購入自体を迷っている。
欲しい手帳は3000円前後。無駄にしてしまうなら、買わない方が良いのではないか。
だが、そうすることで自分の人生がアンコントロールになっている状況に拍車をかけるかもしれない、と考えたりもする。
手帳への記入が続かない=何の指標もない、だからこそ最近不満だらけなのかもしれない。

時間がないと続かない

手帳への記録が続かないのは何故だろうと考えたとき、まず浮かぶのが圧倒的な時間の不足である。

愚痴を避けるためにわざわざお題から「手帳」の選んだのにあまり仕事の話はしたくないのだが、通勤時間合わせて仕事の拘束時間が14.5h、睡眠6h(本当はこれでも足りない)、家事やら身支度やらで1.5h(料理あまりしない、食洗機・ドラム式洗濯機使用 身支度は最小限)これで計22hである。
自由時間が2h?意味がわからない。
楽しくない仕事に人生の大半を注ぎ込まざるを得ないなんて、世の中どれだけハードモードになっているのか。
この状況を甘受して生きたら、人生最期の時に何を思うのだろう。不満の中で死を迎えるなんて、想像するだけでおぞましい。

正直なところ、休日以外はお金を下ろしにいくことすらままならない状態だ。
この状況で毎日手帳に記録する時間を捻出するのは無理である。

時間以前に、手帳に記録するパワーがないのも大問題だ。
頑張っても給料に反映されないから、モチベーションが下がる。
モチベーションが下がると精神的に疲れる。
疲れると何もしたくないから、ツイッターPS4何かをちょっとやって寝るというパターンが多い。
我ながら悪循環の極みと言える。

結局、手帳に日々の出来事を記録するには、時間、体力、気力の全てに余裕が必要なのだ。

時間管理で仕事を効率化…したくない!

「そもそも手帳は時間管理ツールなんだから、そういう状況こそむしろちゃんと手帳を活用するべき」という意見もあるだろう。
それはもう本当にその通りで、1つの作業に時間をきっちり割り当てて管理すれば、確かに効率良く仕事ができる。
後述のバレットジャーナルを使えば、抜けなく対応出来ることも体験済みだ。
ただ、今の環境では、効率良くやるほど疲弊するという残念な結果に終わった。
はっきり言って、手帳を活用して仕事を効率化して、ガンガン倒すぞ!…という気には微塵もならない。

業務の内容自体は楽しいのだ。がっつりやる熱量もあった。
だが、悪意が蔓延する職場では、楽しんでいる人間、うまくいっている人間は「ムカつく」となって仕事の押し付けや重箱の隅をつつくような攻撃の対象となるらしい。
異動直後は真面目に効率化を図ったのだが、私にだけ風当たりが強くなったので、アホらしくなってやめた。
(管理職も含めてこんなことをやっているのだから救えない…)

業務量の削減にはバレットジャーナルが使える

だが、仕事において手帳が完全に不要というわけでもない。
前述の「バレットジャーナル」である。
簡単に言うと「項目ごとに記号で進捗管理しよう」という方法だが、これが業務量削減になかなか効果がある。
概念については本家が書いた書籍はもちろん、薄いムック本でも十分に理解できると思う。
これを業務の効率化ではなく、サボるために使う。

作業は3ステップ。

①項目羅列
②要/不要にわける
③対応必要な項目は進捗管理、不要は誰かに言われるまで無視
依頼者によって やる/やらない を決める

この方法のメリットは、頭に浮かんだままのことを放置せずジャッジすることで、脳のリソースを有効利用できることである。
複数個の懸念点が片付かずに頭の中に残っているという状態がどれだけ脳のリソースを消費するか、私はこの数ヶ月でようやく理解した。
記憶力はもちろん、判断力や計算力すら奪われる。もちろん人生を楽しむための精神力も。
複数作業は一旦保存して終了、メモリを解放すれば動作が速くなるのはパソコンも人間も変わらないらしい。

「極力仕事をしない」というネガティブな方向に持っていくためにこの方法を使うのは、考案者に申し訳ない気もする。
が、QOLを上げるという意味ではポジティブだし、まあ勘弁してもらうこととしよう。

手帳を使うことで人生の主導権を取り返せるかもしれない

手帳術紹介の雑誌などで、使いこなしている人の使用例を見ると、記録することを楽しんでいるし、それによってQOLが向上しているように見える。
手帳に記録することで人生の肯定的な面にフォーカスする→メンタルが回復してエネルギー補充→楽しいから更に手帳に記録 以下ループ

嫌なことに意識を合わせる時間が長ければ、人生が楽しくなくなるのは当然であろう。
そして更に嫌なことが増えるという悪循環。
どうもここ数ヶ月の私は、こちらのループに入っているようだ。

QOLを上げる手帳術で比較的簡単なのは、その日の嬉しかったことを記録することだろう。
おいしい、楽しいなどでもいい。とにかく自分がいい気分になれたことにフォーカスし、冒頭のループに入ることを目指す。

「時間がない」や」嫌なことを避けるために力を使う」というのは、自分の人生の主導権が誰かに奪われているという証拠である。
私の人生は私のものだ。
仕事ごときに「楽しくない人生」にされてたまるか。
やりたいことはまだまだあるのだ。

よし、やっぱり今年も手帳を買おう。